2023年ベストアルバム10選

こういうのは自分の感性に従って、本当に好きなものを選ばないと意味ないと思うんだよな、、

世間的に言われているジャンル名ではなく、自分というジャンルを確立できるような、そうゆう聴き方をしていきたいなあと思っていた一年でした。

ということで今年選んだアルバム/EPは10枚のみ!絞り込むのは大変だけどこのくらいでええんです。

10位.Gold-Cleo Sol

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なんとなくメロウなネオソウルって年末にあう気がしているんですよね。
この『Gold』では人の優しさや価値を、また信仰について表現されているらしいですよ。小さなころの自分だけの神様と久々にゆっくり話したいですね。
一人の時間がただただ心地よくなるアルバム。秋とか冬とかの肌寒いバイト帰りに合うんですよこれが。

9位.dawndraft/landscape-シノエフヒ

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People in the Boxに影響を受けたような、幾何学的かつポップで親しみやすいサウンドだが、ミックスとしては重めというバランスが好きで、よく聴いていたアルバム。
そして、なによりドラムが凄い。実は誌上ドラムコンテストのグランプリの方が叩いており、ヤバい人がいるんだなあ、、と思いながら聴いていた。今年とあるイベントで一緒になったときあのドラムが観れるのか!と楽しみにしていたが、既にサポートを辞めており、別のドラマーが前後半で二人にわかれ、残された狂気的な譜面を頑張って叩いていた。

8位.Heven Is a Junkyard-Youth Lagoon

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雨が降る考え過ぎて眠れない夜、気分転換にコンビニまで行く道中で聴いたらめちゃくちゃ刺さったアルバム。調べてみると彼は薬物反応によって、喉頭と声帯は8カ月間に渡って正常な機能を失い、体重も減り、話すこともできなくなったという。アルバム全体に渡って広がる幽玄な安堵感は、それら問題と孤独を乗り越えた先にあるものだった。会食恐怖症乗り越えかけの自分も、この感覚に若干のシンパシーを覚えたりもした。
刺さる瞬間は正直少ないけど、あの感情と音がピッタリ合った気持ち良い瞬間を思うと、入れざるを得なかった。

7位.New Neighbors-Homecomings

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優しさに満ちたアルバム。
『i care』を始めとするの歌詞は勿論のこと、『euphoria/ユーフォリア』のアウトロなど音圧が出ていても優しい雰囲気が満ちているのは、本人たちのオーラを音がまとっているからなのかなあ。そんな人格とリンクした音の出力は、表現者として憧れる。
オルタナティブな激しい音もかっこよくて良いけれど、優しさに魅力を遺憾なく注いでいくこともかっこいいんだなと思った。
ライブに行って初めて気がついたこと、ベースが異常に上手くてびっくりしたのを覚えている。
ぬいぐるみ好きとしてはジャケとアー写もかわいすぎて良すぎなんだよな。

6位.The Land Is Inhospitable and So Are We-Mitski

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甘く深みのあるビターなアルバム。迫力がありながらも繊細で優しいニュアンス。
自分の好みとしては珍しい、カントリーとかフォーク的な魅力を宿したアルバム。1曲目『Bug Like an Angel』のアコースティックサウンドからのコーラスによる多幸感ある圧はやっぱ興奮するし、『My Love Mine All Mine』を中心とした愛の楽曲は聴いていて穏やかな気持になる。『I Love Me After You』に関してはもう全然シューゲイザーだしな。今年はこうゆう甘い愛みたいなものはなかったな、、この先もっとお気に入りになっていくアルバムという予感がしている。

5位.Hinemosphere-Lily Fury

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感性がオタクなので、こんな感じのセリフが入ってるインターネットミュージックのようなものは、大変良い。
行方不明になった宇宙飛行線のなか、少女とアンドロイドの関係を描いており、消えゆく届かない美しさをシューゲイズサウンドで描いている点、耽美性を宿したこのアルバムは「遠泳音楽」とも言えるかもしれない。『Hinemosphere』のイントロへ繋がる一曲目『Introduction for Hinemosphere』のラストが最高に効果的で感情を揺さぶられる。
最後の楽曲『Down by the Salley Gardens』も、ストーリーにちなんだ生々しい音が切なげで、全体を通して楽しんで聴くことができた。

4位.STRAGGLER-ヒメウズ

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まあ自分のバンドだからね、入れるしかないということで入れました。
内容的にはたくさんの思い出と共に、多くの課題が見つかったって感じですかね。
まず、高校から使っていたバーチのスネアを音源で使えた点は大きい。でも正直今の自分の好みの音には最後まで出来なくて、この子とはおさらばしようかなという感じ。(音源にも残せたしね)
このEPやっぱドラム(自分)が戦犯なんだよな、ミックスの力でなんとか聴けるレベルまでになってるけども、味と言うにも下手すぎ。つらい。
こんな感じだけど、このEPも好んで聴いてくれている人も少なからずいるので、もっと進化して次回作で更に喜んでもらえたら嬉しい。
あと、普通に『斜陽』のアウトロのシューゲイズめちゃ好き。歌詞も良くて、心のしんどさが丁度いいとクソ刺さる。

3位.宇宙から来た人-PSP Social

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とにかく引き算のバンド音楽という感じがたまらないアルバム。Spotifyの月間リスナー数は200人も満たない層だが、なぜこんなにも聴かれていないのかが分からないくらいの完成度だった。淡々と流れていく感傷に身を委ねているような、透明感のある暗い音楽はほんとに少ないので、個人的には大収穫。感覚としては羊文学の『若者たちへ』に近いかもしれない。
ラスト一曲『行く人/yukuhito』は22分半超えの超大作だが、超感傷的シューゲイザーパートもあって、全く飽きないし嫌にならない。(stats.fmのランキングは壊れてしまうが)
ジャケットも日常と非日常の境目みたいでいいよね。おやすみプンプン的な。

2位.Here I Stand-揺らぎ

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このアルバムを一言で表すとすると「絶妙」かもしれない。ほんとにアルバムの内容全てが絶妙な良さのバランスで構成されている。内容としてはシューゲイザーとかドリームポップではあると思うのだが、音がミチミチに詰まっているわけではなく、寧ろ余白が多く足りない感覚すらある。先程にも言っていた、引き算の音楽という感じだ。
個人的な美学として縛りプレイというものがある。お笑いでいうと漫才のように限られた表現方法で、人の感情を動かすこと。このアルバムの制限された環境で爆発している感覚がたまらない、、なにか一つでもズレたら成立しなくなるようなミックスと個々の技術力にたいへん興奮する。インタビューを読んだらそこまでヒリヒリした感じではなかったので、勝手に感じ取って勝手に感銘を受けている感じだ。
このギリギリで生存しているが確かな生命力を帯びたアルバムは、自分のバンドに対する向き合い方を考えさせられる一枚となった。

1位.つくる-ひとひら

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まず、マスロックやシューゲイザー、エモに邦楽らしい叙情的な要素のバランスが個人的にかなりツボだった。
初めて聴いたときの、『つくる』の加速するパートの気持ちよさは今年一番な気がする。この瞬間、Twitterで同界隈のバンドマン中心に既に話題になっていた理由がわかった。
『国』『Seamless』のマスロックっぽいアルペジオやエモっぽいのシャウトからのシューゲイズなど強い楽曲が続き、『風船』。こうゆうカッティングとドラムの混ざり方も非常に好み。そして、『ここじゃない地獄』のアウトロ。音源でここまでシューゲイズサウンド表現できるんだ!という衝撃とグイグイとギアを上げていく感覚がたまらん。救いのシューゲイズサウンドだった。アルバムが終わりに近づくにしたがって、歌詞の感傷がカンストする。『際』は郷愁感と可憐なメロディの切なさ、非常に好きな歌詞。ラスト『こわす』で『つくる』の歌詞を違う伴奏でもう一度持ってくるのも憎すぎて良い、、。2分代の曲も多く全体通しても35分と聴きやすい長さでもある。
自分のバンドとも近しい界隈だったのか知り合いのバンドマンから「引退するしかねえ」と様々な声が上がっていたのが印象的だった。悔しいが流石に自分の好みのアルバム過ぎて、鬼リピートしたので2023年の1位はこのアルバム。


あー、来年はうちも強アルバムを出したいですなあ、、